社会的ひきこもり」とは                 

フローチャート : 複数書類: 「ひきこもり」は、単一の疾患や障害の概念ではない

「ひきこもり」は様々な要因によって社会的な参加の場面が狭まり、自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態をさします。周囲との相互関係のなかで、「ひきこもる」ことによって強いストレスをさけ、仮の安定を得ている状態であると考えられます。

 それらは、「いじめにあって」とか、「家族関係のもつれから」とか、「病気をしたことによって」とか一つの原因で引き起こるものとは考えられていません。むしろ、そうした要因が重なり合って起きていると思われます。生物・心理・社会的要因の複合として「ひきこもり」を捉えなければならないということです。 したがって、当事者の抱える問題は個別性が強く、それぞれの状況に合せた対応や支援が必要となります。 

 近年ひきこもり青少年の中に、不登校者の増加や就学・就職期を過ぎても社会への適応がうまくとれないで、ひきこもる青少年が見られるようになりました。その理由は、精神疾患とは呼べないが「ひきこもり」をする人達の存在です。
 このような状態にある人のことを 「社会的ひきこもり」 と呼ぶようになり、精神疾患のために生じる「ひきこもり」とは区別しています。 このことについて、斎藤環氏は、「20代後半までに問題化し、6ヶ月以上、自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、他の精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの」と述べています。 しかし、「社会的ひきこもり」状態にある人々にも、長期間続いている人や様々な病態や状況の人々がいるのが現実で、本人は元より家族や周りの人々に対する影響も大きく、個人が対応できる範囲を超えた社会問題として、教育や保健衛生機関等の社会的支援の重要性が提唱されています。